2022年12月23日

今週の注目感染症 
2022年第50週(12月12日~12月18日)

●インフルエンザ
全県で罹患数55、定点当たり0.40の患者発生あり、県下全域で前週より増加した。
東部地区で定点当たり0.68、中部地区で定点当たり0.36、西部地区で定点当たり0.13の発生あり。
発生が最も多いのは東部地区で、賀茂保健所及び御殿場保健所管内は定点当たり1以上となり流行期の開始を示した。
静岡市、浜松市及び西部地区での発生は定点当たり0.04~0.14と低く東高西低の状態である。
このペースで罹患数が増加すると、3~4週後には流行期に入る可能性が示唆される。

●RSウイルス感染症
全県で罹患数88、定点当たり0.99の患者発生あり、県全体で前週より減少した。
東部地区で定点当たり0.19と全集を維持し、中部地区で定点当たり1.26、西部地区で定点当たり1.60と患者発生は減少したものの、依然流行期となっている。
東部地区は45週以降流行域を脱し再流行に転じることもない。
東部が先行し、中部及び西部がそれに続く動向を示している。

●A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
全県で罹患数25、定点当たり0.28の患者発生あり、県下全地区で前週より増加した。
東部地区で定点当たり0.25、中部及び西部地区で定点当たり0.30の患者発生あり、全地区でほぼ同様の増加率を示した。
本症は冬期から春期に増加する傾向があり、新型コロナやインフルエンザとの類症鑑別も必要であることから、今後の動向に注視する必要がある。

●感染性胃腸炎
全県で罹患数289、定点当たり3.25の患者発生あり、県全体では前週よりわずかに減少した。
定点当たり東部地区で1.56、中部地区で3.56、西部地区で 4.77の患者発生あり、前週から引き続き西部地区での発生が突出している。
本症は年間通して流行レベルだが、病因物質から夏期と冬期の2峰性のピークを示し、45週から冬期のピークが継続している。

・風疹、麻疹とも患者発生なし。
・マイコプラズマ、ロタウイルスによる感染性胃腸炎、伝染性紅斑は患者発生なし。
・第50週で定点当たり患者報告数の多かった疾病は、順に1)感染性胃腸炎 2)RSウイルス感染症 3)手足口病 4)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 5)咽頭結膜熱であった。
・全県での流行期は感染性胃腸炎のみとなった。
・地域限定でインフルエンザが賀茂及び御殿場保健所管内、RSウイルス感染症が中部及び西部保健所管内で流行期に入った。
・インフルエンザは富山県、神奈川県、熊本県が定点当たり1を超え流行期に入った。

【静岡県感染症情報センターより参照】
(令和4年12月23日更新)